「おうちにいよう(STAY HOME)」のお話の、続きです。
時間軸が、突然飛びますが、私、学生の頃、家族を亡くしました。
たったひと晩で起こった、突然のことでした。
その時、たくさんの人に、助けてもらいました。
突然、家にわーっと、たくさんの大人がやってきた。
亡くなった父の、同僚の皆さまです。
家族はもう、どうしていいか、わからない。
気持ちの問題以前に、死亡証明書とか、火葬の証明書とか……。今まで見たことのなかった世界と、次々に、接してゆくわけです。
それはもう、すごい速度で。
そんな中、忘れもしない、通夜の夜の、遅く。
大勢のおじさんたちが、居間に集まって、香典袋の記帳をしている時です。
なきがらの、見守りのじゅんばんが、他の身内に、交代になった。
つかのま、自由になった私は、おじさんたちに近づいてみます。
「何か、手伝えることはありますか?」
だって、突然死んだのは、私の父です。
しかも、現役で亡くなったため、職場にかけている迷惑も、大きいはず。
本来であれば、私たち家族が、何もかもを、しなければならない立場のはず。
すると、うち一人のおじさんが、優しい目で言います。
「今は、休んでおいてください」
「こっちは、今は、僕たちの『役目』」
「あなたは今、休める時に、休んでおく『役目』ですよ」
あの時、人生でもっとも大切なことのひとつを、教わった気がします。
全員が、いちどきに倒れてしまったら、大きな意味での安全が、機能しなくなってしまう。
だから、交代で休んでおく。
いずれ、自分の打席も、必ずやってくるから。
ひるがえって、今。
今は、「おうちにいられない」お仕事の方々が、がんばってくれています。
そして、いずれ、交代がくる。
その時が、「おうちにいよう(STAY HOME)」をしている私たちの、出番です。
だから、今は、準備をする時。
力や知識を、蓄えておく時。
自分の人生を、整理整頓して、次への戦略を練っておく時。
いずれやってくる、自分の打席。
でも、準備ができていなかったら、バットに球をかすることも、できなくなってしまう。
だから、一緒に、準備をしましょう。 また、書きにきますね。