S. T. さん(40代以上/岡山県よりご参加) あらべらクラス
[1]
あなたの問題は、そもそも、どんな主訴でしたか?
私は、他者の要求をのまないといけない
私は、他者の期待にこたえなくてはいけない
私は、他者の要求や望みや期待に応えるための道具
↑ これらの思い込みが私の根底から根を張っていました。
当たり前すぎて、問題と自覚してもいませんでした。
[2]
どんな環境、どんな過去を持っていますか? どんな痛みの体験が影響して、そのような主訴を持つようになったのでしょう。
幼少期の預けられ体験から、私は親の要求や期待や望みに応えることが当たり前でした。
応えれば、自分の存在価値が保障されるといつの間にか思うようになっていました。
自分がこの世に存在してもいいのは、誰かの要求や期待や望みに応えた場合。
そこに、自分の感情は邪魔なだけです。
自分の感情を抑えて、のみ込んで、押し殺して生きていくようになりました。
学校や社会と関わる人が増えるにつれ、親だけでなく、関わる人達の要求や期待や望みに応えるようになっていきました。
[3]
ONSA WORKSHOP および TAT セッションで、その過去(正確には、 過去に対する考えや意見、痛みの感覚やぐるぐる思考など)がどんな風に変わってゆきましたか?
私は、ここ数年 ONSA WORKSHOP および TAT セッションを受講してきました。
以前 TAT セッションで扱ったのは、幼少期のやきつきでした。
今回は、幼少期のやきつきがもとになり、さらに付随することになった学童期から20代前半のやきつきを扱いました。
幼少期のやきつきが強烈なものだったので、今回扱ったやきつきは自覚すらありませんでした。
ONSA WORKSHOP(対面式)で、藤沢さんから指摘され TAT を勧められました。
その時も「?」というくらい自覚がありませんでした。
対面式の後、Web. WORKSHOP に取り組みながら徐々に、「あ! あれもこれもやきつきだ!」と少しずつ自覚するようになりました。
すると、20代後半から現在まで自分が当たり前のようにふるまっている背景に、このやきつきが影響を与えていると感じるようになりました。
「自分の感情を抑えて、相手の言いなりになることが私の役目」
こんな根深い価値観と使命感のような呪縛に囚われていることに少しずつ目が開かれていきました。
TAT セッションを受け、次第に
「私の感情は私にとって大切なもの」
「私は私の感情や要求や望みをもっていい」
そんな思いが湧き、日に日にこの思いが自分にとってとても大切な価値観になりつつあります。
[4]
TAT セッションを受けるには、どんな前提条件が必要だと思いますか?
ここで言う条件とは、人的条件やお金といった条件ではありません。
たとえば、集中を切らさないで人の話を聞けること、自分の痛みのルーツが分かっていること。「裁かない」こと、自分にウソをつかないこと、時間に間に合うように来ること、ルールを守れること、協調性が養われていること……など、体験した人だから分かることがあると思います。
ONSA WORKSHOP と TAT セッションをご自身で体験してみて、TAT セッションにはどのような前提条件が必要だと思うか、受けてみて感じたことを、教えてください。
とにかく、自分の問題を自覚していることだと思います。
自分の問題に気づいていないうちは、応急手当てにしかならないと思います。
応急手当だから、とりあえずの対処程度でしかなく、
また、同じような痛みを繰り返し自分に引き寄せていくような気がします。
だから、
「自分に向き合う根気と粘り強さ」
そして、
「必要なだけ時間をかける覚悟」
「派手ではなく、とことん地味な作業を続けていく」
そんな力が必要だと思います。
[5]
もし自分が ONSA WORKSHOP で訓練をしないまま TAT セッションを受けていたら、どんな風であったか、想像して教えてください。
実際は ONSA WORKSHOP で訓練を受けてから、TAT セッションにご参加くださいました。
でももし、そうではないとしたら……。たとえば人を裁いていたかもしれないとか、「今」に集中できなかったかもしれないとか、そもそも自分の問題が何であるか分からなかったかもしれないとか……どんな風であったと思われるでしょう。
率直に感じたことを教えてください。
幼少期の傷が、学童期から20代前半の傷に派生していたように、
相手と場所をかえながら、新たな傷や痛みを引き受けていたと思います。
くり返しくり返し、傷を再生させて、とことん自分を傷だらけにしていたと思います。
[6]
ONSA WORKSHOP は、TAT セッションを受けるにあたり、あなたにとってどんな風に役立ちましたか?
具体的に振り返ってみてください。
自分の問題に気づき、自覚すること。
これからの人生を幸せに生きていくための基礎・基本となるスキルを学ぶこと。
自分の存在を大切にしながら幸せに生きていくための基礎体力をつけること。
とにかく、とことん自分と向き合い、自分の力を取り戻していくための練習の場。
[7]
TAT セッションを受けてみた後、1)と2)で書いた問題は、どのように変化しましたか? そしてその変化は、あなたにとって、どんな風に感じた出来事だったでしょう。
あなたの言葉で教えてください。
他者の要求や期待や望みを察知しょうとする自分、
何とかしようとする自分に自分で気づくようになりました。
そんな自分を感じながら、何もしないでその場にいられる、
何とかしようと焦る自分を、自分で抱えていられるようになりました。
私が私を守っている、そう感じられるようになりました。
これは、私にとってとても大きい変化です。
私が私と共にいる、そんな感覚があります。
[8]
これから ONSA WORKSHOP ならびに TAT セッションを受け、みずからのトラウマに向き合ってゆく方に、メッセージをお願いします。
私自身がそうであったように、
このメッセージを読んでいるということは、自分を救うための方法をすでに知っているということ。
自分に必要な行動は何かに気づいているということ。
どうか、一歩ふみだしてください。
どうぞ、手を伸ばしてみてください。
怖いかもしれない、不安かもしれない。
けれど、やってみたら必ず自分自身で感じる時がきます。
「受けてよかった」と。
[9]
最後に、ここまで歩いてきた自分自身に、メッセージをお願いします。
TAT セッションが受けたくてたまらなかった数年前。
「受ければ変われる」
「一瞬で変われる」
そう思っていた。
ここまで歩いてきて、
「やり続ける」
「あきらめない」
その気持ちが強くなっている。
ボロボロだった私・他人の人生のために生きていた私。
自分の人生を生きていいなんて、これっぽっちも思えなかった私。
ズタボロになりながら、よろよろしていた私。
今、自分の足で自分の人生に向かって歩いている。
そんな自分自身の歩みをふり返ると、自分が愛おしい。
そう思えるようになってきたことが、何よりうれしい。
私のために、やり続けるよ。
私のために、あきらめないよ。
そんな私に「ありがとう」。
感謝をこめて。
N. O. さん(30代/東京都よりご参加) あらべらクラス
[1]
あなたの問題は、そもそも、どんな主訴でしたか?
元々は、誰にも愛されなかったという悲しみの主訴でした。
今回セルフセッション・トレーニングでは、原家族での性的虐待、身体的虐待を夢に見たのもあり、受けました。
実際に受けていて、今現在、職場で感じているライフスキルの低さや、人が怖いという主訴にも、セルフセッション・トレーニングで不安や怖さが取れるというのを体験して驚きました。
[2]
どんな環境、どんな過去を持っていますか? どんな痛みの体験が影響して、そのような主訴を持つようになったのでしょう。
身体的虐待、精神的虐待、性的虐待のある家庭で育ちました。怒鳴られたり、蹴られたり、殴られたり、殺されるという恐怖を味わったように思います。
裸足で逃げ出すことも何度もありました。祖父母の家に逃げたこともありますが、我慢するように言われてがっかりしました。
[3]
ONSA WORKSHOP および TAT セッションで、その過去(正確には、 過去に対する考えや意見、痛みの感覚やぐるぐる思考など)がどんな風に変わってゆきましたか?
(その過去が)今と切り離されて、過去のものとして見れるようになりました。
ただ、受けた虐待自体はとても怖いものだとは思っているので、距離を取るための具体的方法を取り続けて行こうと思っています。
[4]
TAT セッションを受けるには、どんな前提条件が必要だと思いますか?
ここで言う条件とは、人的条件やお金といった条件ではありません。
たとえば、集中を切らさないで人の話を聞けること、自分の痛みのルーツが分かっていること。「裁かない」こと、自分にウソをつかないこと、時間に間に合うように来ること、ルールを守れること、協調性が養われていること……など、体験した人だから分かることがあると思います。
ONSA WORKSHOP と TAT セッションをご自身で体験してみて、TAT セッションにはどのような前提条件が必要だと思うか、受けてみて感じたことを、教えてください。
合理化しない。
現実を捻じ曲げない。
自分を危険から守るための現実的なスキルをいくつか持っている。
秘密を守れる。
幸せを諦めない。
科学を信じられる。
[5]
もし自分が ONSA WORKSHOP で訓練をしないまま TAT セッションを受けていたら、どんな風であったか、想像して教えてください。
実際は ONSA WORKSHOP で訓練を受けてから、TAT セッションにご参加くださいました。
でももし、そうではないとしたら……。たとえば人を裁いていたかもしれないとか、「今」に集中できなかったかもしれないとか、そもそも自分の問題が何であるか分からなかったかもしれないとか……どんな風であったと思われるでしょう。
率直に感じたことを教えてください。
現実は何も変わらずに、TAT セッションでつらさを紛らわせて、現実に行動は何も変わらずに、現実がどんどん悪化して、死んでいたかもしれない。
親のように痛みを依存症で紛らわせて、最終的に突然死を望んだかも知らない。
酔っぱらった人生を送って、酔っぱらったまま死んでいったかもしれないし、現実のパンチをくらって、みじめな思いの中つらい現実を突きつけられて、痛みの中必死に耐えながら生きていくことを選ぶかもしれない。
どちらにせよ、今よりつらくなるから、そんなことにならなくて良かった。
ONSA で訓練をしていてよかった。
歩みを止めないようにしたい。
[6]
ONSA WORKSHOP は、TAT セッションを受けるにあたり、あなたにとってどんな風に役立ちましたか?
具体的に振り返ってみてください。
ONSA WORKSHOP が目を開かせてくれたので、危険な状況から距離を置くことが出来るようになった。
何が悪くて、今のような状況になったのか、徹底的に振り返ることで見えてきた。
[7]
TAT セッションを受けてみた後、1)と2)で書いた問題は、どのように変化しましたか? そしてその変化は、あなたにとって、どんな風に感じた出来事だったでしょう。
あなたの言葉で教えてください。
対処できるものになった。(距離を置く、ノーを言うという意味で)
悲しみや恐怖などで、包まれなくなった。
冷静に見れるようになった。
[8]
これから ONSA WORKSHOP ならびに TAT セッションを受け、みずからのトラウマに向き合ってゆく方に、メッセージをお願いします。
トラウマは本当に取れます。
TAT セッションを受ける前は死ぬことばかり考えていましたが、取れた後は自殺を考えたことはありません。
暗闇の中から自分を連れ出して幸せにできるのは、自分だけです。
自分に幸せを許可して、行動してあげて下さい。
私にできたのだから、あなたにもできます。
そして、ONSA で紹介されているような本をたくさん読んでください。
[9]
最後に、ここまで歩いてきた自分自身に、メッセージをお願いします。
今は、昔みたいに、自分を苛めていない。
だけど、前より、自然にたくさん行動できるようになったね。
だけど、時々、自分の心と離れそうになるね。
「灯台の時間」を毎日取れていないからだね。
工夫して取れるようにしようね。
現実を麻痺させるのは、やめて、現実に効く方法で行動しようね。
ここで逆戻りは嫌だから。
ここで、頑張らないと、逆戻りだから。
まだ、安全なラインまで来ていない。
賢く賢く、手帳とにらめっこして安全に進んで行こう。
でも、ここからは、そんなに苦しくはないはずだから。