Y. N. さん(40代以上/福岡県よりご参加) さのクラス
この12週間のワークショップ中、私は色々な感情を味わいました。
機能不全家族問題のこと。そこから生まれる、共依存という病のこと。
学びの最初は「???」
ポカーン状態からのスタートでした。
今なら分かります。
それは私の感覚が、「麻痺」しきっていて、自覚がなかったからだと。
この「麻痺」している感覚が異常な状態だということが、週ごとの学びとともに刻々と、実感をともなって分かってきました。
「自分で、自分の異常性に、気づけない」
この言葉が自分の中から出てきた時、私は共依存の真の恐ろしさに、凍りつきました。
自分ごととして、実感が出てくれば出てくるほど、恐怖は増し、そんな環境に生まれ落ちた自分の運命を呪いたくなりました。
ひるがえって、自分の生命力の強さと美しさに、驚嘆しました。
あらためて世間を見渡してみると、幸せに生き、充実した人生を送っている人は皆、「ちゃんとした」家庭に生まれた人ばかりに見える。
愛情をたくさん受けながら、育ったように見える。
大切に見守られながら、育ったように見える。
「私だってそういう家に生まれてさえいれば……………。」
「私は、人生の回復作業をするために、生まれてきたようなものなの!?」
「そんな人生って、あまりに不公平じゃないの!?」
「私の人生って、いったい何なのよ………。」
やり場のない悔しさと怒りが湧いてきました。
でも、麻痺して何も感じ(自覚が)なかった頃に戻りたいかと問われれば、そうは思わない自分がいます。
自分の両親が私に何をしたのか。
「本当のところ」が見えてきて、私は悲しかったです。
悲しいけれど、カラクリを知った分、スッキリもしています。
ワークショップが始まって、2ヶ月ほど経った頃、私に変化が訪れました。
それはいつもと変わらぬある日の「今日」に、ふいに出てきた「部屋を居心地よく過ごせる場所にしたい」という心の声から始まりました。
衝動とは違うけれど、体がムズムズしてくるような、肉体的な欲求のように感じました。
私は整理整頓がとても苦手です。
「要る/要らない」の決断ができない。
それを考えようとすると、頭がフリーズしてしまい、片付け途中なのに、関係ない本を読み返したりしていました。
特に自室は、部屋の半分がモノであふれ、雑然としている状態でした。
色々な片付けの本を買っては、そのメソッドを試しました。
断捨離も、何度もしました。
でも気づけば、部屋は元通り。
そしてお約束の自己嫌悪。
ずっとその繰り返しでした。
そんな歴史を持つ私が、今回はスイスイと流れるように、作業ができている。しかもご機嫌に。
この現象も、今なら説明ができます。
私の人生なのに「私がいない」。
この共依存の状態では、そもそも「要る/要らない」の選択ができなくて、当たり前なのです。
自分以外の人に重心を置いてるので、私の周りにあったモノというのは、いわば他人のモノ。
人のモノに対して、私が判断をくだせるわけがなかったのでした。
ワークショップ前は、
「早く部屋を整理しなきゃ」
「早くきれいにしなきゃ」
常に駆り立てられるような気持ちが、心のすみっこにありました。
そしてその気持ちが臨界点に達すると、衝動的に部屋の片っ端からゴミ袋に突っ込んで断捨離していく。
こういうやり方をしていました。
今の私のやり方は、これとはまるで違っています。
・帽子をかけるフックを、壁に取り付けるだけ
・レースカーテンのほつれを、直すだけ
・肥料を量って、植物たちに与えるだけ
・パソコンの指紋を丁寧に拭き取るだけ
・引き出しのほこりを取るだけ
仕事に家事に子育てにという日々の中では、本当に取るに足らないような、小さなことしかできません。
40数年間、「子どもの魔法の解決法」のやり方で生きてきた私には、歯がゆくなりそうなほど、わずかな前進量。
……のはずが、歯がゆくならない。
むしろ、そのコツコツの歩みを、味わっている自分がいる。
「今」から離れてしまって、味わえてない時には、そのことにすぐに気づけるようになっている。
取るに足らない小さなことに、丁寧に時間をかけることを、自分に許せている。
ちなみに1回目の課題「ワークショップ後に望む変化」で私はこう書きました。
–
一発思考、魔法思考の代わりに、「少しずつ」「確実に」行動を重ねていく。
この習慣ともっと仲良くなっていたいです。
–
できるようになっているじゃない!!!
飛び上がるほどうれしい!!!
共依存の仕組みを知ることで、整理整頓にとても苦手意識を持っていた自分のことが、深く理解できるようになりました。
また、どうして各種片付けメソッドや断捨離では効果が出なかったのかも、納得がいきました。
大事なのは「根」。
このことを痛感しています。
物理的なことを言えば、まるで一夜の魔法のごとく、一瞬にしてそれまでできなかったことが、できるようになってしまった私ですが。
そこに至るまでの道のりはと言えば、8ヶ月間ずっとワークショップ(Web. WORKSHOP と ONSA WORKSHOP(対面式))を受け続けて、自分と濃密に対話し続けてきました。
(もっと言えば、15年間『夢かな手帳』でお会いする藤沢さんの手引きのもと、時間の使い方を自分なりに試行錯誤してきました)
真の変化とは、とても深くて静かなところから、始まる気がします。
植物も、美しい花を咲かせるのは最後です。
共依存の仕組みを学んだこと。
自分がどう巻き込まれていたかが分かったこと。
それが「現在=今」にどう影響しているかが分かったこと。
分かれば、一つ一つ人生を整理していける。
このことに、今私は安堵しています。
恐怖、悔しさ、怒り、悲しみ、爽快感、安堵感。
色々な感情を一気に味わったこの3ヶ月でした。
それもこれも、私の「麻痺」が薄れ、正常な感覚が戻ってきたからこそだと思います。
私はこれからも歩き続けます。
最後になりましたが、いつも伴走してくださっている藤沢さん、ONSA スタッフチームの皆さん、どうもありがとうございます!
全国のお仲間の皆さん、またどこかでお会いできましたら、とても心強くうれしく思います!